皇帝ペンギンが翔んだ空

皇帝ペンギンが翔んだ空 (電撃文庫)
祭紀 りゅーじ
メディアワークス
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話の舞台

ライトノベルではっきりと欧州が舞台、って作品はなんとなく珍しい、かも。その雰囲気づくりは悪くない。
中心となる場は、第12回電撃大賞でおなじみの、『お留守バンシー』的なお化け屋敷。ちなみにお留守バンシーの見所は「未熟な乳房」という記述だけでしたね。(語弊があります)
代わる代わる脅かしてくれる感じ。ハリポタの首なし男爵とかあーいうのを想像してもらってもいい。あーいうのがいることを知らない泥棒が盗みに入ったら? というあたりが分かりやすい面白さかな。

作中人物

エレネっつーだらしないおねいさんキャラが好きだった。あと探偵キャラはどうしてもチェキなウチの妹の顔が浮かんでくるのを止められない。

展開

内容的にはp86であのデレを発露させるのはちと早いんじゃね、とか思ったけどこの時点で必要なのかー。うーん。


最後のスピードにのった霊障と権力を持った老人の締め、ってのはさすがにないかなー。
ひしひし伝わってくるものがありつつも、この読後の空々しさはなんだ。結局タイトルが意味不明なままだったし。(笑)


後書きを読んでみると、連載していたものの文庫化されていない、この話と同じ舞台の、人物の違う前段的な話があったみたい。まずはそっち出せばいいのに。ああ、この「前の話の知識を読者が持っていないのに、著者はそれを前提に書いている」ってゆー表現側と受け取る側の乖離がこのアレげな感じの原因か。なるほど、勉強になった。


いまいち。取り立てて読むほどではない一冊。